軟弱な地盤、不均一な地盤は基礎に十分注意を |
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長い基礎杭は、大地震の際の損傷が心配 |
本章では、マンションの全体計画について、「一流」と「三流」の見分け方をお教えしましょう。全体計画というと何か難しそうに聞こえるかもしれませんが、どのようなマンションができるのか、そのペースとなる部分のことです。
まず地盤です。
マンションをはじめ建築物には、すべて基礎があります。基礎は、建物の重さを地盤に伝え、建物を支えています。ここで大事なことは、建物の規模や重量によって、基礎が届いているべき「地盤」が違うということです。一戸建てのような軽い建物は、地面を少し掘り、砕石を敷き固めた上にコンクリートの基礎をつくればまず大丈夫です。地盤から軟らかい場合は、ベタ基礎にしたり地盤改良することで対応します。
しかし、鉄筋コンクリート造で重いマンションなどの基礎は、必ず「良好な地盤」にまで達していなければなりません。これが地表に近い位置にあり、また敷地内でその深さにばらつきがないのが、良い敷地といえます。もう一つ、注意したいのが、「良好な地盤」が地表に近い位置にあっても、その深さが敷地内で大きく変化している場合です。
地盤と建物、基礎の関係はなかなか難しいところがあり、もし不安があるなら、専門知識のある第三者に意見を求めるのがいいでしょう。 |
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POINT
●マンションの基礎は「良好な地盤」に届いている必要がある。
●軟弱な地盤では30~40mの杭を打つことも珍しくないが、縦に長い杭は地震の横揺れに弱い。
●地盤が不均一な場合も、基礎に注意しないと不同沈下を生じることがある。 |
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~マンションの基礎はこうなっている~ |
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立地環境で一番重要なのは隣地 仮想建物などの「日影図」をチェック |
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空き地駐車場などがあれば、必ず何か建つ
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次に、立地環境です。買物や銀行など日常生活に関することなら、周辺を歩きまわれば大体分かるでしょう。
問題は、周囲の建物の影響です。
すでに建物が建っているなら、購入を検討している住戸にどのように日影がかかるのか、チェックして下さい。
まともなデベロッパーなら、少なくとも冬至、春分、秋分における、敷地平面と建物立面の「日影図」を作成しているはずです。
さらに重要なのが、将来のことです。マンションの周辺に空き地や駐車場、古い工場などがあれば、将来何らかの建物が建つと考えてまず、間違いないでしょう。
そうなれば、日照や眺望などが、当然、悪化します。毎日の生活だけでなく、資産価値にも影響を与えるでしょう。
日本中でいまなお、建築紛争は絶えることなく起こっています。 |
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マンションの基本性能を決めるのは「天井高」ではなく「階高」 |
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「階高」は一度決めると変えられないが、「天井高」はごまかせる |
マンションの構造で、もっとも重要なチェクポイントが「階高」です。
この「階高」という言葉を、モデルルームの販売担当者は意外と知りません。
モデルルームで、「この住戸の階高はどのくらいですか?」などと、とんでもない質問を逆にされてしまいます。
何千万円もする商品を売っている販売担当者が「階高」の意味する知らないとは、購入者にとっては言語道断です。
そういうマンションの販売担当者に出会ったら、すぐ他の物件を探すべきである。 |
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